ヤスサーキットが出来た時からF3000の体験ドライビングはアクティビティとしてありましたがタイミングがそろわず待っていました。今回ようやく実際に経験してきましたが、どのようなレベルで体験できたのでしょうか?(注:2019年06月24日:再度搭乗した時の経験・修正点を記事の一番下に追記しました)

(注意:音が入っています)

結果

F3000をほとんど制限していない状態で体験ドライビングする事ができました。日本では不可能でしょうね・・色々と・・車好きであればF3000をF1グランプリが開催されるサーキットで本気で搭乗できるこのサービスは外せません!

予約

今回の予約はAMEXからもNG、宿泊しているYAS VICEROYホテルからもNGです。昔はホテルからは可能だったのですがブランドが変わってからはNGです。つまりWEBサイトで直接予約するしか方法はありません。AMEXの担当者の方には色々と調べて頂き感謝しています。

WEBで予約すると事前に費用を総て支払う必要があります。クレジットカードがあれば簡単にできるので直ぐに登録します。注意が必要なのはF3000搭乗経験は毎日提供されているのでは無いということです。日程が上手く合うように全体の調整が必要です。

もちろん誰でも乗れるわけではありませんが、とても緩いのが実感です。一言でいうと日本人なら国際運転免許書があれば概ねOKです。一応ルールを下に書いておきます。(2016年10月現在)

  • 予約した時間の30分前には到着する事(WEB上にはゲート20から入ると書いてありましたが・・・)
  • 必要な事項を現地で総て書き込みサインする事
  • 許可なくカメラを搭乗時に持ち込んではいけない。
  • 車で来た場合は所定の場所に止める事
  • ドライビングライセンスを有する事(日本人の場合には国際運転免許書でOKでした)
  • 18歳以上
  • マニュアル・トランスミッションの車の運転方法を知っている事
  • 長袖・長ズボンの服装で来ること
  • 身長160cm以上188cm以下
  • 体重105kg以下
  • スリッパなどの足が露出する靴は禁止
  • 指定された場所から見学する事
  • ヤス サーキットの規定に従う事
  • 支払った費用はいかなる理由でも返金しない
  • 天候などの已む得ない場合には予約の日時を変更する。
  • 安全のための現地で行われる講習に参加し理解する事(英語が必須)
  • アルコールで酔っ払った状態での搭乗は不可。この場合には総ての損害を弁償しなければならない。

予約が完了するとEメールで確認が送付されてくるので保存しておきます。無くても通常なら問題ありませんが、予約のトラブルが出た時には重要な証拠なので・・・気になるのは保険がAED0(ゼロ)と書いてあることです。入っていてゼロなのか、入っていなくてゼロなのか・・・結果は当日に分かります。

チェックイン

当日はヤス サーキットのゲートに直接向かうことになります。WEBでは20番ゲートと書いてあるので向かいます。宿泊しているYAS VICEROYホテルからは車で5分程度なので余裕をもって移動できます。

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しかし・・・ゲートでF3000の体験ドライビングに来たと伝えるとセキュリティの人から7番ゲートから入ってくれとの事です。本当かなと思いながら移動しますが何もありません。7番ゲートのセキュリティの人に聞いて初めて分かりました。車が集まっている場所に行ってくれとの事でした。なるほど・・・これは分かりません。

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ゆっくり車の集まっている場所を外から見るとF3000が並んでいるのでこれで間違いない事が分かり安心して中に入ります。車を降りるときに何を持っていくか悩みましたが、結局は以下の物を持っていれば大丈夫です。他は鍵のかかる車に入れるか搭乗しないパートナーの方に持っていただければ良いでしょう。

  • 国際運転免許書
  • AED400(保険と車載のビデオ画像購入)
  • もちろん自分のカメラ
  • 長袖・長ズボンそしてスニーカ。ドライビング中にはかなり汗が出るので、Tシャツも着ておいたほうが良いでしょう。
  • 眼鏡はOK

中に入っていくと気のいいお兄さんが声をかけてくれます。名前を言うか予約のリファレンス番号(Eメールに記載あり)を伝えると予約を確認してくれます。予約があれば今度はインシュランス(保険)について確認されます。もちろんYESと答えるとAED200を支払います。何がどのような保険かは一切分かりませんが・・・ご愛敬です。

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F3000も自由に見てくれて良いとの事だったので心行くまで拝見しました。いやー至福の時間です・・・オンボードカメラシステムも付いておりUSBを差すと、そのまま記録が開始されるタイプのようでした。(2019年搭乗時には変更されていました・変更内容は記事の最後に纏めてあります)

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サーキット側を見ると泊まっているヤス・ベセロイ ホテルが目の前に見えます。

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ブリーフィング

最初にやはり説明です。今回は朝一番の搭乗09:30だったのですが私を入れて3名が申し込みされていました。上の階に移動し講義を受けます。

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色々な事を言われますが私が重要だと感じたのは以下のポイントです。

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  • 今回のドライビングの目的は経験であり、レースではない
  • 基本は前を走るインストラクターの後を付いていく
基本的なコース情報としては以下の内容がポイントです

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  • 使用するコースはヤス・マリーナ F1サーキットの南半分2.6kmを使用する。
  • 今回泊まっているYAS VICEROYホテルの下を通過する。
  • フラッグが表示されたら先ずは速度を落とす。
  • スピンしても車から降りない。(火が出た時だけ車から降りる。ただしブレーキダストを火だと誤解しないように)
  • 最初のラップはスピードを出さずにインストラクターの後ろをゆっくりついていく。
  • インストラクターは前後に居るので安心してよい。
  • 途中でドライビングの内容を見てチームを分ける。ピットストップをして分離するのでインストラクターに着いていくように。
  • コースにはコーンが置いてある。赤のコーンでブレーキ開始。黄色でターン開始。緑で最もインライン。
  • コーナーを攻めて縁石に乗ってはいけない。乗るとスピンする可能性が高い。(トラクションコントロールはパワーがかかっている時しか有効ではない)
  • 違反した場合にはピットストップして説明する。つまり周回が減る
使用するF3000の情報

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  • 性能はレース車から大きく劣化させていない
  • V6の3Lエンジン(ターボ無し)
  • 最高速度275km/h
  • 6速ギアのF1パドルシフト・変速時にはクラッチは不要
  • クラッチは二回しか使わない。出発の時と停止するときだけ。
  • トラクションコントロール付
  • ニュートラルはハンドルのボタンで行う
  • もちろん一人乗り
  • インカムは無い
  • ハンドルもブレーキもパワーアシストは無い

準備

ブリーフィングが終わったら下に戻ってレーシング用の服を上から着ます。難燃性の素材でできたレーシングスーツを着ると気分はかなり上がってきます。頭から白い布を被ったのちに白いヘルメットを被ります。私は眼鏡をしているのですが、問題なく使えました。匂いも特に臭くないので安心です。グローブは軍手で使い捨てです。しかしこれは汗が出ていても気にならない良い軍手でした。素手では汗で滑ったでしょうね!

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服の準備が終わると車に向かいます。他の二人が乗った後に私が最後に乗り込みます。しかもインストラクターの真後ろです。乗ったときに先ずはクラッチが切れるか確認します。NGの場合には背中の詰め物を調整します。私は一発でOKになりました。シートベルトもガッチリします。終わったときに前に体がでるか確認して出るようであれば再度絞められます。これは絞めておいたほうが後で楽です。緩いと運転中に体が安定しない状態になります。両足を浮かしても体が車体と一体になるぐらいが良いです。ただし気持ち悪くなるのはダメですが・・・

スタート

さあ準備ができたところで・・・クラッチを踏んでイグニッションのスイッチをONとします。最後はスタートボタンを押してエンジンをかけます。ここまでは簡単にできます。流石にエンジンがスタートすると、大きな音が真後ろから鳴り響き他の音は聞こえなくなります。

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インストラクターが前に出た後にスタッフの動作に併せて私も移動します・・・・・がいきなりエンストします(泣)スタッフが駆けつけて直ぐにエンジンを再度始動してくれますが・・・二回目もエンストです。クラッチをゆっくり離すだけでなく、もう少しエンジンを煽って良いとのアドバイスでようやく無事にスタートしました。

ピットレーンはゆっくりと進みますがそれほど違和感のある車ではありません。これなら行けると思いました。ゆっくり走っているときにサイドミラーを直そうとしたら・・・壊れています。常に下を向いてしまい使い物になりません。諦めてインストラクターの後ろに着いていくことに専念することを決意します。

サーキットラン

今回は最終的に12ラップしました。コーナーの感覚が一般車とかなり違い地面に吸いついているので、どこまで曲げても良いのか・・・どのスピードで行けるのか全く感覚が分かりません。横Gのかかり方も普通の車なスピンするほどですがまったくそんな気配がありません。セッティングも安全重視でされているとは思いますが、レールの上を走っているような安定感です。

最初のラップはゆっくりとインストラクターが走るので合わせてゆっくり走ります。しかし2ラップ目からはそれなりに速度が出てきます。最終のコーナーを抜けてホームストレートでは風圧とGで頭を動かせません。ただアクセルを下まで踏み込みインディケータに併せてシフトアップしていくだけです。後からインストラクターに確認すると最高200km/h出ていたそうです。初めてにしては踏めていると言われました。

日本のサーキットでセダンの車で200km/hを超えてもそれほど視界は怖くありませんでした・・・・が・・・・F3000は車高が地面に近くホームストレートでアクセルを踏んでいる状態だと視野がとても狭く感じます。

注:音が入っています

そして最も怖いのがブレーキです。踏めば踏むだけ止まるのですが、凄いGで目玉が飛び出るかと思うほどです。そしてアクセルとブレーキの隙間が狭すぎてホームストレートの最後で間違えて同時に踏んだ時はビックリしました!ただでさえ気持ちに余裕が無いのですが、少しパニックになりました(笑)しかしレーシングカーは凄いです。ダウンフォースとスリックタイヤそしてエンジンが全く違います。素人の私でもこのレベルを感じ取れるほどです。地面に喰いついている感じを・・・・

ピットイン

12週走った時点でチェッカーフラッグが振られて終了します。他のフラッグはLEDですが、チェッカーフラグだけはスタッフが物理的に振ってくれました!これは気分が良いものです。最後はゆっくりと走りピットインします。スタッフの誘導に従って車を止めて、ニュートラルボタンを押して、エンジンを停止させ、ハンドルを取り外します。できなければクラッチさえ切っていればスタッフがサポートしてくれます。

昼間のアブダビが暑いのもありましたが、それ以上に新しい緊張で体中が汗で・・・心地より新しい経験をたのしんでF3000の体験ドライビングは終了しました。

終了

車を降りてしばらく震えが出ていましたが、15分程度ソファーでリラックスすると元に戻りました。ドライビング後も私が好きなだけココにいて良いと言っていただいたので水を飲みながら次のドライバー達の走りを見せて頂きました。なるほどこれはカッコいいですね!ピットレーンを超えて本線のほうまで見に行って良いと言われたので気を付けながら遠慮なく楽しませて頂きました。(2019年搭乗時には変更されていました・変更内容は記事の最後に纏めてあります)

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帰るときにスタッフに声をかけてドライビング中の動画をUSBでいただきます。(2019年搭乗時には変更されていました・変更内容は記事の最後に纏めてあります)AED200ですがこの経験を記録できるなら安いものです。

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本当に素晴らしい経験でした!また日本からも友人たちを誘って来ます。

2019年6月の再搭乗

2019年は前回の経験があったのでスタートのエンジンストールも無く、前より突っ込んだ運転をする事になるのですが・・・なんとF3000でスピンする事態となってしまいました。ホームストレートの二つ後のコーナーで少しブレーキを残して進入したところ綺麗に2回転しました!どこもヒットしていないので、ルールに従いスピンした後にエンジンを自分でかけなおして、コースの右端を安全速度で走りピットに戻りました。監督に何があったのか質問されたので冷静に答えたところ、インストラクターがピットに戻り、再度コースに出ることになりました。昔ダートトライアルをやっていた時のようにグリップを失うのを感じるかと思いましたが、かなりピーキな反応で全く反応できなかったので少し悔しかったとも言えます(笑)

今回の搭乗時に前回と違いがあったので以下に掲載します。

1.パドックの中は敷居が下ろされ、F3000に自由に近づくことが不可能となっていました。

 

2.ピットレーンを横切って渡る事は禁止され、代わりに二階の観戦席から見ることが出るようになりました。またトレーニングは座学よりDVDをただ見るだけの簡易版に切り替わっていました。

3.自分が運転している動画はUSBではなく、インターネット経由で受領する方式に変わりました。また場所や各種センサーの情報が表示されていました。ただし・・総ての記録ではなくベストラップの一周のみが提供されるようになりました。このため、車に乗り込んだ時に手に付けたICタグをリーダに読み込ませる作業が追加されます。実は一回目のスピンはあっと言う間だったので後から動画で見るのが楽しみでした。しかしこれは・・当然ベストラップでは無いので受領する事ができませんでした・・残念。

(注:音があります)

サーキット見取り図